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ウォール街のモメンタムウォーカー〔個別銘柄編〕【1/6】

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ウェスリー・R・グレイ、ジャック・R・ボーゲルによる、「モメンタム投資」の解説書です。

 

「モメンタム」は簡単に言えば「価格の勢い」ですので、私は本書に対し、ウィリアム・オニールのCAN-SLIMや、新高値ブレイクのような投資手法が紹介されているものと想像していました。

 

読み進めていくうちに、本書は、仮説を立て、検証によって優位性を見出し、売買ルールに落とし込むというアプローチが多く、どちらかと言えばシステムトレード的な側面が強い内容だと感じました。

 

特に、本書で解説されている「定量的モメンタム戦略」が私にとっては非常に魅力的で、これの検証がしたくて「MagicalNuts」の開発に本格的に取り組んだ、というのが実情です。

 

また、

 

  • 私たちは生来がバリュー投資家

 

というように、バリュー投資を基点として、モメンタム投資を取り入れていく理由や効果を、実証的に解説しているのが大きな特徴だと思います。

 

モメンタム投資は成長株投資ではない

 

まずは「モメンタム」について。

 

  • モメンタムとは、過去のクロスセクションでの相対リターンの継続を意味する。つまり、過去の勝者は将来の勝者になり、過去の敗者は将来の敗者になる傾向があるということである。

 

つまり、「モメンタム投資」とは、市場全体の中でも比較的価格上昇が大きかったものに投資する手法です。

 

ただ、モメンタム投資は成長株投資とは違うと言います。

 

  • まず、はっきりさせておかなければならないことは、モメンタム投資は成長株投資ではないということである。

  • 成長株投資は、これまでに述べてきた研究によれば、過去のファンダメンタルズ(例えば、PER)に対して株価の高い証券を買う戦略だ。

  • 成長株投資に対して、モメンタム投資は、ファンダメンタルズとは無関係に、ほかの証券とのクロスセクシヨンでの相対パフオーマンスが高い証券を買う戦略だ。

  • モメンタム投資では価格がすべてなのだ。

 

「価格がすべて」に関しては、後述の「定量的モメンタム戦略」でも実際に、モメンタムの計測にATR等の指標を使わず、「価格という1次情報のみ」を使って算出しています。

 

  • 実際には、高モメンタム株はバリュー株の場合もあり、成長株の場合もあり、あるいはこの両方の中間に位置する場合もある。

 

モメンタム株は成長株とは別の観点で評価されたものである、ということですね。